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「事前情報が影響する」はウソ?

  • 執筆者の写真: 北林陽児
    北林陽児
  • 5月18日
  • 読了時間: 3分

みなさん、こんにちは。

 

今日は、

 

再現性の危機の話の続きで、

 

プライミング効果を取り上げましょう。

 

これは事前情報によって、

 

判断や行動が影響されるというもので、

 

例えば、

 

カレーの広告を見たことによって、

 

その日カレーを食べたくなる

 

というようなことです。

 

これは広告効果の心理学的根拠

 

ともなっていますが、

 

再現性は完全に否定された状況です。

 

プライミング効果については、

 

心理学の教科書にも堂々記載されています。

 

心理学の再現性の危機では、

 

教科書に載っているレベルの研究も、

 

次々に否定されているのです。

 

2025年段階で改定されているか

 

どうかは気になるところですが、

 

本気で改定したら、

 

教科書は丸々全部書き換えと

 

言われたりもしているようです。

 

 

 

 

しかし、より混迷を深める話があります。

 

それは、以前、

 

『水曜日のダウンタウン』という番組で、

 

カレーに匂いを嗅ぐと、

 

カレーを食べたくなるのか?

 

という検証を行っていたことです。

 

この検証では、

 

芸人が午前中に

 

会議室で打ち合わせをしていると、

 

パーティションの裏側から、

 

カレーの匂いが漂ってくるという形でした。

 

そしてその芸人は、

 

その後の昼ご飯何を食べるのか?

 

を追跡するというものでした。

 

結果的には、

 

10人程度のうち1人を除いて全員が

 

カレーまたはカレーうどんを食べていました。

 

そして、その例外の一人は、

 

「カレーは嫌いだから」と

 

インタビューに答えました。

 

興味深い点は、

 

カレーを食べた芸人たちは、

 

選んだ理由を質問されても、

 

答えることができないという点でした。

 

カレーの匂いを嗅ぐという事前体験が、

 

自分の行動に影響しているとは

 

気づくことなく、

 

つまり無意識的に

 

行動しているというのが、

 

番組の検証結果だったわけです。

 

この番組を見たとき、

 

お~、これはプライミング効果だ!

 

やはり教科書どおりだ、

 

心理学は偉大だと思ったものです。

 

 

 

 

しかし、しかし、

 

再現性の危機の流れの中で、

 

プライミング効果の再現性は、

 

ほぼ完全に否定されているわけです。

 

完全に否定されているのに、

 

再現できてしまったわけです。

 

これは混迷を極める事態ですね。

 

まあ、バラエティ番組ですから、

 

全部ヤラセだったという説もありますが、

 

非常に混迷を極めた事態と言えるでしょう。

 

はっきり言って、心理学には、

 

こういう側面があることは否めないでしょう。

 

「こういう側面」とはどういう側面なのか、

 

それは次回のお話にしましょう。


 
 
 

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