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私が持っていた世代間伝達の問題

  • 執筆者の写真: 北林陽児
    北林陽児
  • 2024年5月29日
  • 読了時間: 3分

昨日は、パワハラ町長の事例から、世代間伝達の話をしましたね。

 

そこで思ったことですが、そう言えば、自分自身も世代間伝達していることがあると気づきました。

 

私の父は、公認会計士という職業なのですが、この職業は、会社のお金の計算に、間違いや不正やリスクがないかをチェックする仕事です。

 

つまり、人の間違いや不正やリスクを探して、稼いでいるわけです。

 

今にして思えば、父は家庭においても「人の間違いや不正を指摘する」というクセを発揮していたようで、子供の頃から、何をやっても、アレは良くない、コレも良くない、ソレも危ない、間違っていると様々な物事のネガティブ事項を、あげつらわれて育った気がします。

 

父にとっては職業能力だと思うのですが、家庭でそれをやられた私の精神的負担は重かったと思います。

 

と同時に、実はその癖は、私に世代間伝達されてしまって、私も、他人のことについて、アレやコレやと問題性を探してしまう、気づいてしまう、というか作り出してしまう。

 

そして、厳しく指摘する。

 

という言動をとってしまって、人から痛く嫌われる側面がありました。

 

父親から受けて嫌だったことを、自分自身もやってしまうわけですね・・・。

 

本当にイヤな奴だったなと思うのですが、驚いたことに、それをやっていた当時は、「それが相手のためになる」と信じていて、そういう汚れ役を買って出ている自分は偉いんだとさえ思っていました笑

 

まあ、滅茶苦茶嫌われますよね。

 

この思考は、件のパワハラ町長と似ていますよね。

 

相手の嫌がることをしても問題意識を持てない。

 

それどころか、「相手の成長のためなんだ」と信じ切っているわけです。

 

 

 

さて、私のかつての行動パターンである「間違いや不正やリスクを指摘する」という言動は、本質的には、「相手を否定して、自分の正義を押し付ける行為」と言えると思います。

 

実は、それとは真逆の行為が、心理療法の実践です。

 

心理療法の核心は、自分自身を受け入れていく行為です。

 

誰かに押し付けられた正義に基づいて、間違い、不正、リスク、あるいは悪と決めつけられて否定されている自分自身の一部分を、無条件に受け入れていくプロセスこそ、心の癒しであり、そのスキルこそ心理療法です。

 

人を否定することが偉いという思考を世代間伝達していた私ですが、それを克服するプロセスにおいて、真逆のスキルが、自分のアイデンティティの中核にまで成長したと言えると思います。

 

私が今現在やっていることは、自分自身と人々をいかにして無条件に受け入れるか、その無条件性をいかに拡大するか、ということに日々挑戦しています。

 

人生って面白いですね。

 
 
 

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