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動画の紹介『半神』

  • 執筆者の写真: 北林陽児
    北林陽児
  • 6月26日
  • 読了時間: 3分

先日、結合双生児の話から、野田秀樹の演劇『半神』について軽く触れました。


高校生の頃に衛星放送で観て、大きな衝撃を受けたという話でした。


大きな衝撃を受けたのですが、その後完全に忘れて、物語の内容も全く覚えていなかったので、ネットで色々と調べてみました。


すると、Youtubeに全編の動画があったので、早速観てみました。



(半神14➡24➡34➡44という順番で全編を見れます)


今回調べて分かったのですが、名作の部類に入る作品だったようで、野田秀樹および他の演出家によってかなりの回数にわたってされているようです。


Youtubeにある動画は、1999年に深津絵里の主演によるもので、まさに高校生の頃に私が見たものを録画したもののようです。


ネット上の『半神』に関する様々な記事を読んで読むと、内容の濃さや難解さについての記載が指摘されていました。


確かに、本当に情報が多いというか、濃いんですね。


しかし、じっくりと内容を考えていくと、ストーリー自体は単純明快というか、結合双生児の話をするなら、それしかないよねというストーリーだと気づきました。


すなわち、結合双生児がいて、分離手術を受けて、その結果どうなるか?


実は、ストーリーラインはこれしかないのです。


じゃあ、2時間にわたって一体何を濃密に語っているかと言えば、登場人物の心象描写を延々とやっているわけですね。


多分、2時間の1時間半くらいは心の中の話なのではないでしょうか。


しかも、ストーリーと心象描写の切り分けが明確ではなくて、両者がごっちゃ混ぜになって展開していくわけですね。


この難解性のために、ネット記事の中には、「ビデオテープが擦り切れるほど何度も何度も見返した」と書かれたりしていました。


上記のYoutube動画も、映像と音声が非常に荒くなっていて、それがまた難解さを高めているわけです笑


しかし、ビデオ撮影(1999)➡衛星放送➡VHSに録画➡何度も視聴➡デジタル化➡Youtube(2014)➡私が視聴(2025)という長い経路をたどって、奇跡的に再び見れたことに感激しています。




ところで、他にも驚いたことが色々あるのですが、それだけ濃密かつ難解なのに、その原作はたった16ページのマンガだそうです。













原作者は、萩尾望都という人で、少女漫画の大御所なのですね・・・。


『ポーの一族』はタイトルだけ聞いたことがあるな・・・と思いました。


しかし、実は、知らないうちに、私のブログ・メルマガでは、過去に萩尾望都の作品を取り上げていました。














そう言われてみれば、両作品には共通点が多くて、確かにな・・・と思いました。


『イグアナの娘』も中学生くらいの頃に結構な衝撃を受けて、心に残っている作品なのですが、作者のことを知らなくても、同じ傾向を持つ作品に感銘を受けていたことに驚きました。


まあ、そう言えば、現在もそれこそ心理療法家として、人間の心の中に深い関心を持っているわけです。


若い頃には、まさかそういう仕事をするとは全く想像もしていなかったし、興味関心にも全く気づいていなかったのですが、実は、中学生・高校生の頃には既に発現していたのか・・・と思うと感慨深いというか、軽い驚きがあります。

 
 
 

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