先日、シン・仮面ライダーを観に行きましたので、ネタバレ有りで、感想を書いていきます。
まず、私はこれまで仮面ライダーを見たことはありませんでした。
庵野秀明ファンなので、一連の作品として観に行ったクチです。
世の中の評判は、真っ二つに割れているようですね。
そんな中で、私はかなり楽しめました。
特に気になったのは、浜辺美波演じるルリ子が行う「パリハライズ」という技?でした。
ルリ子も組織で生まれた人造人間的な人なのですが、自分の脳とパソコンを直接つないで操作したり、自分の心と人の心をつないで操作したりする能力があります。
その能力を使って、洗脳されている敵を、脱洗脳するのですが、その脱洗脳のようなことを「パリハライズ」すると言っているわけです。
さて、このパリハライズですが、これはもうかなり現実のトラウマケアに近いと思います。
少なくとも私が行っている「ことばにする®」にはかなり近いです。
ことばにする®では感情を言語にして表現するのですが、パリハライズは、非言語系である点が大きな違いです。
言語を用いずに非言語でのトラウマケアも、実際に存在しています。
また、仮面ライダー2号にパリハライズする際に、ルリ子は、「ショッカーの洗脳手法は、悲しい記憶を心の奥底に押し込めて、多幸感で上書きする方法だ」と言っています。
この「悲しい記憶を心の中に押し込める」というのはまさに抑圧であり、やや広い定義のトラウマと言えるでしょう。
そして、その悲しい記憶を蘇らせることで脱洗脳をするというのが、パリハライズなわけです。
そして、パリハライズを行った後、仮面ライダー2号は、溢れる悲しみを味わい、そしてトラウマから解放される恍惚感を味わうシーンがあります。
そして、仮面ライダー2号は洗脳から覚めて、本来の自分を取り戻すのですが、実際のトラウマケアでは、悪夢から覚めて、本来の自分を取り戻すわけです。
このパリハライズの一連の流れは、まさにトラウマケアの流れであり、私のセッションでもよく起きる現象です。
「トラウマ」という言葉はドイツ語で「夢」とか「悪夢」という意味です。
この言葉通りトラウマ持ちの人生は、悪夢を見ながら夢うつつで生きるようなものです。
アメリカの映画では心理療法を行うシーンが扱われるのは、結構よく見かけていたのですが、最近は日本の映画やアニメでも見かけるようになりました。
そういう形で、メンタルケア、トラウマケア、あるいは心理療法について、世の中に浸透していくことはとても良いことだなと思っています。
トラウマの1つや2つは誰でも持っている物ですから、程度の差こそありますが、みんな悪夢にうなされながら生きているのが現実です。
そういう意味では、悪夢から目を覚ますのが心理療法と言えるかもしれませんね。
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