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執筆者の写真北林陽児

自己暗示は効くのか?

様々な心理スキルの中で、自己暗示は割と多くの人が知っている言葉ではないでしょうか?


しかし、実際のところ自己暗示とは何なのか?


本当に効果があるのか?


インチキではないのか?


とか様々な疑問があったり、催眠と暗示を混同していたりすると思います。



まず、本当に効果があるのか?という疑問に対しては、「ある」というのが答えですが、「そんなインチキには騙されない」と考える人もたまにいらっしゃります。


様々な心理療法の全般に言えることなのですが、自分自身で実際に体験することが重要だと思っています。


そこで、今日は、簡単な自己暗示の手法を3つ紹介します。




まずひとつ目は、自律訓練法です。


私のマンガ『5つの魔法』でも紹介していますが、自律訓練法は自己暗示をかけていくことによって副交感神経を働かせて心身をリラックスさせる手法です。


具体的には、手足が「重い」「熱い」という暗示をかけていくのですが、実際に重く、熱く感じられるようになります。


この熱くなるという現象は「気がする」だけのものではなく、実際に手足の物理的な体温が上がることが、サーモグラフィで測定することができます。


ただ、自律訓練法は最初は熟練者からの誘導を受けたり、訓練をする必要があって、最初から上手にできるとは限りません。




二つ目の自己暗示の方法は、起きる時間を指定するという方法です。


夜寝るときに、翌日の朝に目を覚ましたい時刻を自己暗示で心の中にインプットするのです。


具体的には、6時に起きたいと考えるのであれば「私は朝6時に目を覚ます」と何度も心の中で唱えるという単純な方法です。


翌朝、「まさに6時」というタイミングで、パカッと目が開きます笑


ただし、1日目は効果的ですが、2日目3日目と効果は弱まっていきます。


このあたりが自己暗示の限界性ですね。




さらに3つ目の方法ですが、鏡を使って自己暗示をする手法です。


自己暗示は鏡を用いることによって効果を高めることができます。


鏡の中の自分自身と目を合わせて、自分自身に向かって話しかけるわけです。


ここで話しかける内容としてオススメは「愛している」という言葉が効果的です。


鏡の中の自分に対して、「愛している、愛している、愛している」と1万回も10万回も話しかけるつもりでひたすら繰り返します。


すると、意識がぼんやりしてきたり、目の焦点が合わなくなったりします。これはトランス状態へと入ると生じる現象です。


また、中には、涙が溢れ出すという場合もあると思います。


心理療法において涙が流れるというのはよくある現象で、その瞬間に心の浄化が起きていると考えてよいでしょう。




今日は自己暗示の方法を3つ紹介してみました。


共通して言えるコツは、「体の力を抜いて行うこと」です。


体の力を抜くと、意識が心の中へと入ってゆき、暗示がよく入ってゆきます。


ちなみに、この中で一番オススメなのは、3つ目の愛しているという暗示です。


この手法は、他にもコツや派生手法があるのですが、


それはまたの機会に紹介いたします。

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