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執筆者の写真北林陽児

逆に、内へ内へと向かう性格

好き内向性「ネガティブな刺激に対する敏感さ」


昨日は潜水艇タイタン号の話題から、外向性という性格特性の話をしました。


今日は、その逆で、外向性が低い、つまり内向性の話をしてみましょう。


外向性とは、「ネガティブな刺激に対する鈍感さ」のことでしたね。


内向性は逆に、「ネガティブな刺激に対する敏感さ」のことです。


例えば、「ネガティブな刺激」とはホラー映画が該当するでしょう。


外向性の高い人は、ホラー映画がちょうどよい刺激で楽しくてしょうがないわけです。


一方で、内向性の高い人は、ホラー映画の刺激は強すぎて、観ていられなくなります


興味や行動が内へ内へと向かう


私は小学校ではガキ大将、中学校では生徒会長、陸上部で活躍して・・・という感じで、活発な子供だったので、内向性とは無縁だなくらいに思っていました。


ところが大学では、引き籠りがちになって、どこにも行かず、誰とも会わずという時期が長く、「豪快さで繊細さを隠す男」と評されていました。


もちろん授業にも出れないので、単位も取れませんし、そういう行動について結構悩んでいて行き詰まっていました。


外向性が高い人は様々な経験を求めて外へ外へと出ていくのですが、内向性の高い人は家に引きこもったり、人と会わないというような行動をとりがちになります。


つまり内向性の人には外で得られる刺激は強すぎる一方で、内で十分な刺激が得られるので、興味や行動が内へ内へと向かうわけです。


外向性の高い人の行動は華やかで動的なのですが、内向性の高い人は地味で静的なので、正直言って外向性の人のほうが良いような気がします。


しかし、「内で十分な刺激が得られるので興味や行動が内へ内へ向かう」という説明を見つけたときに、自分としては納得したというか救われる思いがありました。


そう言えば昔占い師に、「内側の仕事が向いている」と言われて、なんのこっちゃと思いつつ記憶に残っていたのですが、そういうことだったんですね笑


そして興味は、自分自身の内側へ


内へ内へ向かうというのはどういうことかと言うと、家の外よりは中に居たいし、家の中でも自分の部屋が良いし、人間関係も知らない人よりは旧知の仲の人が良い・・・という感じですね。


そして、最終的には、肉体の外側よりも内側、つまり心の中に関心を持つようになります。


私はサラリーマンを辞めてから、延々と、自分の心と向き合うという活動をやってきたのですが、それは内向性の現れだったと言えます。


外向性の高い人は、心の変化なんて刺激が足りなくて退屈なので、とてもそういう行動はとらないはずです。


私はハッキリいって、心理療法の様々なスキルを用いるたびに起きる心の変化が面白くてしょうがないのですが、それは内向性という性格特性によるものだったと気づきました。


今では、心理療法の仕事をするようになって、内向性は飯のタネになったと言えます。


そういうことで、自分自身をよく理解することの重要性を改めて感じました。



それでも持っている外への憧れ


しかし、面白いもので、人間は逆方向の相反する2つの気持ちを持ってしまうものです。


私は、内へ内へ籠りたいという気持ちと同時に、外への憧れも持っています。


放浪の旅に出てみたいなとか、外国に住みたいなとか・・・とかよく夢想しています。


しかし、過去の経験から言うと、1か月の計画で海外旅行に出ても、1週間を超えると疲弊してしまって、家に帰りたいな・・・と思ってしまいます。


しかし、内向性の特徴が分かってくると、海外旅行に行くなら転々と移動するのではなく、同じ街の同じホテルに長く滞在する形が良いとか、色んなアイディアが見えてきます。


まあ、そう言いつつも、先日、Amazon で「Fall」という高さ600メートルの鉄塔に登る映画に500円払って、半分も見れませんでした笑


自分は内向的で、内側で才能を発揮すると分かれば分かるほど、逆に外向的な人や行動に憧れてしまうんですね。


人間はそういう風にできていて、そもそも矛盾や葛藤を抱える仕組みになっています。


その矛盾や葛藤が大きすぎると苦しみを生み出してしまいますから、「外向的にならなければいけない」とか「内向的なんだから危険な外にでてはいけない」と考えるのではなく、両方の気持ちを認めることが大切です。

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