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強度のストレスで眠りに落ちる?

執筆者の写真: 北林陽児北林陽児

クライエントが眠りに落ちてしまう現象


最近、前世療法に関する記事を2件書いたのですが、その2件目の記事が好評で、何人かの人からお褒めの言葉をいただけて、嬉しかったです。


前世という極端なテーマを取り上げることによって、心理療法の本質に触れることができたからかなと思います。


その一方で、表向きのテーマが極端なせいか、読んでくれた人は少ないようで、残念です・・・笑


さて、その2件目の記事の中で、セラピストが未熟だと、クライエントの体調が悪くなってセラピーを中止したり、眠りに落ちてしまうことなんかがあると述べました。


今日は、この現象について書いてみましょう。



「未熟なセラピスト」とは、私のこと。


というのも、この未熟なセラピストと言うのは、私自身のことでして・・・。


今となっては昔のことですが、私が心理療法家としての修行を始めた頃に、セッション中にクライエントが眠りに落ちてしまうという体験が2度ほどありました。


クライエントも眠るまいとして頑張るのですが、抗いがたい眠気で、眠りに落ちてしまうのです。


この、眠りに落ちるという現象は、現実から逃避するために意識をシャットダウンするという現象です。


セッションの中では、自分の心と向き合っていくわけですが、そうすると心の奥に隠している見たくない物、見ることのできない物なんかに、直面することとなります。


そういう物に直面することは、とても大きなストレスになるため、そういう状況を回避して、自分の心を守るために、眠りに落ちることで意識を遮断するわけです。


どうしてそんなストレスに直面したかと言えば、これはもう完全に当時の私が未熟で、クライエントが安全安心を感じる十分な準備ができていない段階で、心の奥にズカズカと入り込もうとしたせいです。


私自身も体験していた意識遮断


実は、ストレスの余りに意識を遮断するという現象は、私自身もかなり強く何度も経験したことがあります。


新卒で東芝に勤めていたサラリーマン時代のことですが、毎日仕事中に眠くて眠くて・・・ひどい状態でした。


特に、入社してすぐの頃に、上司2名と私の育成方針について話すような打ち合わせがあったのですが、その場で眠りに落ちる事件がありました。


これはもう、本当に眠くて眠くてどうしようもないわけです。


しかし、意識遮断までを必要とするというのは、そのストレスがかなり強度でなければそこまで至りません。


上司2名との打ち合わせ、あるいは日々のデスクワークをするだけで、どうしてそんなストレスを感じていたのでしょうか?


実は、その頃の会社員生活そのものがストレスというよりは、それより以前の18歳の頃にあったトラウマのフラッシュバックによって生まれていたストレスでした。


会社にいるとフラッシュバックが起きて、人生最大の危機状態を心の中で再現してしまって、そのストレスを回避するために意識を遮断していたということです。


そんな会社員生活は当然ながら破綻して、やがて秋田へと帰郷することとなったわけです。


心と向き合うことは、難しく避けたいストレスなこと。


この体験から言いたいことは、フラッシュバック体験、その原因となるトラウマと向き合うこと、あるいは自分の心と向き合うことというのは時として、意識を遮断してまで避けたいほど困難で、避けたいこと、ストレスを伴うことだということです。


従って、セラピストは、安全安心を提供することによって、そのようなストレスを取り除いて、クライエントが心と向き合える状態を整えてあげることが仕事ということになるのです。


そういう意味では、クライエントが眠りに落ちるというのは、セラピストの未熟以外の何物でもないということですね。


私のセッションを何度も受けていくと、やがて、ことばにする®という技法を覚えられるので、自分自身でセルフケアするようにとオススメすることにしています。


ところが、自分でセルフケアをするようになっても、それと同時に私のセッションを受け続ける方が多いです。


それは自分の心と向き合う方法を技術的には習得していたとしても、深くて本質的な内容であればあるほど、自分1人ではメンタル的に難しいため、セラピストの助けが必要になるからです。


それでは、一体、セラピストはどのようにすれば、クライエントの安全安心を確保して、眠りに落とすたりすることなく、かつ成果を出すことができるのでしょうか?


と言ったところで、今日は結構書きましたので、その話は、また次回に持ち越しとしましょう。

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