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お金を使い過ぎるのは、どうして?

執筆者の写真: 北林陽児北林陽児

これまで触れて来なかった話題として、今日は、お金の話でも書いてみましょうか?


お金というのは、数字で表現できる上に、経済学や経営学など立派な学問にもなっているので、心の問題としては余り語られていなような気がします。


しかし、お金こそ、心が全面的に現れてくる分野です。


ところで、心理療法で何ができるのか?と言うと、「自分で自分を、思い通りにコントロールできるようにする」という側面があります。


私たちは、一見すると意識的に生きているようでいて、実際には意識ではコントロールできていないことが、非常に多いのです。


例えば、食べ過ぎちゃうとか、夜眠れないとか、怒りやすいとか、肩が凝るとか腰が痛いとか・・・。自分ではコントロールできないわけです。


お金の分野においても、受け取る、貯める、使う、殖やすの4つ行動において、完全に自分でコントロールできれば良いのですが、多くの人がそれがなかなかできません。


典型的なのは、買い物依存症のような場合で、そんなにお金を使ってはいけないと頭ではわかっているのに、気づくと買い物をしてしまうわけです。


こういう問題は、ファイナンシャルプランナーみたいな人よりは、心の専門家の方が解決案を提示できるわけです。



お金に関する心理問題というのは広くて深くてのですが、今日は手始めに私のことを事例として紹介しましょう。


私は、お金がなかなか貯まらない、入ってきてもすぐ使ってしまうという問題がありました。


このことについて、自分の心の中を探っていくと「早く使わなければいけない」「早く使わないと損をする」「早く使わないと無くなってしまう」というような焦燥感や喪失感を持って、急いでお金を使い切っていることに気づきました。


で、そこからさらに深めていくと、子供の時代に、父親にお金を取り上げられていたことを思い出しました。


祖父が結構お金持ちでしばしばお小遣いをくれる人でしたが、お小遣いをもらうと、確実に父親に取り上げられて、父の管理下で貯金させられていました。


私はこれが本当に嫌で嫌で、中学生くらいになると、お金が入ってきたら、「父親にバレないうちに早く使わないと取り上げられる」という思考が働くようになって、急いで使うという行動をとるようになっていました。


その感情と思考と行動のパターンが、大人になってもずっと続いてしまって、お金がすぐ無くなるという現象の一因になっていたわけです。


私の父は公認会計士というお金の専門家であり、子供に貯金をする習慣を身につけさせたいと考えて、そのような行動をとったと思われるのですが、完全に裏目に育ててしまったわけですね。


親との関わりの中で問題の原因が作られるというのは、お金に限らず、多くの心の問題について言えることで、いつものパターンという感じですね。


まあ、とは言え、お金の問題も他の問題と同様に、自分の心と向き合っていけば、その原因を見つけ出すことができますし、その原因を修正して、自分を変えることもできます。


私も今となっては、お金を使いたいという気持ち自体が、希薄になっています。


お金を使わずとも、心が満たされた状態を維持できれば、お金を使いたいとも思わなくなるわけですね。


今日は、一例として私のことを書いてみましたが、お金の問題の裏には似たような心の問題が確実に隠れていると考えて良いでしょう。

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