先週は思いがけず体調を崩しておりました。季節の変わり目ですね。
さて、今日は、書籍を紹介しましょう。
メンタリストDaigoの『収入の9割はマネースクリプトで決まる』という本です。
「心とお金」をテーマとした本は興味があって、何冊か読んでいるのですが、投資や金融関連の人、あるいはゴリゴリのスピリチュアルの人が書いている本とかが多くて、ちょうど良い本がなかなかないなあと思っていました。
この本は、アメリカの心理学の教授が書いた論文を元ネタにした本なので、お金と言うよりも、心理学寄りで良いなと思います。
さて、マネースクリプトというのは何かと一言で言ってしまえば、「金銭感覚」のことであると言ってしまって良いと思います。
「個人の経済状態は、金銭感覚によって決まっている」というのがこの本のメッセージだと考えれば、そりゃそうだよね・・・と納得感があるかもしれませんね。
さて、元ネタのマネースクリプト理論では、金銭感覚は、以下の4つの要素で構成されているとしています。
①金銭忌避
お金を汚く悪い物と考えて避けてしまう。
②金銭崇拝
お金には万能性を信じて崇拝している。
③金銭地位
自分自身のステータスが金銭の多寡によっていると考えている。
④金銭警戒
お金が無くなることを警戒し、お金を使うことを常に避ける。
この本では、質問に答えると4つの構成要素を測定できる心理検査が記載されています。
自分も含めて何人かに質問紙に答えてもらった中での印象としては、日本人には①金銭忌避が強めの人が多いのではないかなと思います。
日本は同調圧力の強い国民性ですし、国全体として長年に渡って経済が衰退しています。
その衰退の流れに反して、沢山稼いでいる人のことを、嫉妬や羨望の気持ちで批判するような気持ちが日本人に蔓延しているのかもしれないなあと思ったりします。
そのようにして心の中に、金銭忌避を育ててしまうと、実際に忌避する行動をとってしまうわけですね。
金銭忌避が強いと、例えば、高い値付けができず安売りしてしまう、請求書を書くのが苦手、収入を増やすような交渉ができないといような、「お金を受け取ることが苦手」という形で収入を減らしてしまうわけですね。
また、収入だけでなく、多くのお金を持っていることも避けたくなりますから、入ってきたお金を無駄に使ってしまうという行動をとって、支出面でも良くないわけですね。
このように、お金に対してどのような気持ちを持っているかによって、経済状態が決まっているんですよ。というのが本書のメッセージです。
心理学においては質問紙による心理検査というのが良く出てきますよね。
世の中には誰が作ったかわからない謎の心理テストがあってエンタメ的に楽しまれていますが、真面目な心理学者が作成した心理検査の質問紙というものは、統計学に基づいていて、科学的根拠があります。
また、この本では、発見したマネースクリプトの問題を、修正していく方法も記載されています。
金銭感覚を修正するというのは、まさに心理療法的なことで、かなり心理療法的なスキルが紹介されています。
心理療法の専門家としては、お~いいね!なるほどなるほど。と納得のできるスキルが紹介されているのですが、一般の人がこれだけ読んで金銭感覚を修正することができるかと言えば、難しいかもなという感じではあります。
まあでも、自分のマネースクリプトを明らかにしても問題点を理解するだけでも、多少の効果はありますから、大変お勧めの本です。
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