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執筆者の写真北林陽児

性善説と笑顔と豊かさ

先日、タレントの誰かが、「結局、笑顔が一番お金になるんです!」って言っていて、直球過ぎて笑っちゃう半面、妙に納得したような気持ちになりました。


そう言えば、私もセッションではできるだけ笑顔であるように努めているのですが、私が笑顔だとクライエントがスムーズに気持ちを吐露できるからです。


クライエントの役に立ちたい、助けたいという気持ちで笑顔に努めているわけですが、まあそれが結果、お金になってるとは言えるか・・・という感じでした。


さて、一方で、興味深いTicktok動画を見ました。


ロシア人女性が色んな質問に答える動画で、「ロシア人は何故笑わないのですか?」という質問に答えていました。


回答として「確かにロシア人はアメリカ人や日本人のように、他人に微笑んだりしない。理由は、身内と他人の区分が明確である、いつもニコニコしてたら気持ち悪い、いつも苦しいから笑ってられない」とのことでした。


そう言えば、以前、「ロシア人に親切にすると警戒されるから止めろ」とも聞いたことがあります。


ロシア人は、「お金も払っていないのに親切にしてくるのは、何か悪い意図をもって騙そうとしているから警戒しなければならない」と考えるそうです。


つまり、ロシアは、性悪説に則って社会が動いているということですね。


日本のように性善説の社会においては、笑顔は相手をハッピーにする贈り物や親切であると同時に、良い関係を築ける人間であると伝えるシグナルとして非常に有効です。


しかし、性悪説の社会においては、笑顔や親切は、相手を利用し陥れて騙すための手段だから、他人に対して微笑むような行為は気持ち悪いし、警戒すべきとなるわけですね。


このような性悪説の良くない点は、人と人とが協力したり、取引することがスムーズに行かないことです。


協力や取引するだけの信頼関係を構築するのに労力が必要なわけです。


逆に、性善説に基づいている社会においては、出会った瞬間に他人と他人が協力し合える関係を作って、お互い豊かになることが簡単にできます。


例えば、日本では道端に自動販売機が沢山あって、販売会社、土地の所有者、消費者が協力し合ってそれぞれにハッピーになることができています。


しかし、世界中のほとんどの国では、そんなことはできません。自販機は壊されて中の商品やお金を盗まれてしまうからです。


このように、協力や取引がスムーズにできない性悪説の社会においては、経済的な豊かさも生み出しにくいと同時に、心理的なハッピーも生み出しにくいので、「いつも苦しくて笑っていられない」という状況が生じてくるわけですね。


そう言えば、以前のブログで『Give and take』という書籍を取り上げて最も成功するのは、与える人ギバーであるという内容でした。


ちょっと飛躍しますが、ま、そういうことなんだよなと思います。


性善説に基づいて、笑顔でハッピーを与えていくと、豊かになるよっていうお話でした。

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