鎮静化して心の奥へと潜る
- 北林陽児

- 5月18日
- 読了時間: 5分
さて、前回のメルマガでは、
目を閉じて体のチカラを抜くことで、
心と向き合えるという話でしたね。
当然のように書いていますが、
体のチカラを抜くというのは、
実は、結構難しいと知っていますか?
深く眠るのがなかなかできないのと同じで、
体のチカラを抜くのも簡単ではありません。
ストレスや心の問題がある場合には、
なおさら難しいことです。
私たちは、日常生活の中で、
無意識のうちに、体に力を入れしまいます。
全身を良く観察してみると、
首や肩は勿論のこと、
頭や顔の筋肉にも力が入っていることに
気づけるでしょうか?
あるいは、拳を握ったり、
上半身全体を硬直させたり・・・。
初心者のうちは、
気づくこともできないのですが、
気づくことができなければ、
力を抜くこともできませんね。
あるいは、
抜いたと思ったら、また力が入って・・・
ということも非常に良くあります。
そのような無意志レベルで入っているチカラを
抜いていくわけですね。
前回に引き続いて、この話をするのは、
これができなければ、
以降の話は全て破綻するからです。
体のチカラを抜いて、
心と向き合える状態にならなければ、
この先紹介する全てのスキルは、
使うことはできません。
』
『5つの魔法にも書きましたが、
チカラを抜くうえで有用なのが、
呼吸法です。
呼吸法は最近ようやく様々な場所で
語られるようになりましたね。
『5つの魔法』では、
息を吸う時と吐く時の時間を、
1:2で行うという呼吸法を紹介しました。
息を吸う時には交感神経が優位になり、
息を吐く時には副交感神経が優位になるので
1:2で呼吸するうちに
だんだんと副交感神経が優位になって、
リラックスするということでした。
リラックスとは、
体のチカラが抜けた状態です。
さて、ここで自律神経の話が出てきましたね。
心の話をする際には、
自律神経の話が欠かせません。
よく「心と体は繋がっている」と言われますが、
心は、自律神経を支配しており、
心が、自律神経を通じて全ての身体活動を
コントロールしています。
極端な言い方をすれば、
体に現れる全ての現象は、
心が起こしている。
と言っても良いでしょう。
さらに、交感神経と副交感神経の話をすると、
交感神経は、外的世界での身体的な活動と繋がっており、
副交感神経は、内的世界での心的な活動と繋がります。
これは前回の話と似ていますが、
人間は、体を通じて、
外的世界と関りを持ちますから、
外的世界で活動するためには、
交感神経を優位にして、
身体を活性化する必要があります。
一方で、自分の心と向き合うためには、
外的世界を遮断して、
内的世界に意識を向ける必要があります。
外的世界を遮断するわけですから、
交感神経を鎮める必要があるわけですね。
そうすると、副交感神経が活発化してきて、
脳波で言うと、
アルファ波とかシータ波のような
周波数の低い状態へとなってゆきます。
このような話は、
全部繋がっているということが
分かるでしょうか?
すこし、話をまとめましょう。
★自分の心と向き合うためには、
・体のチカラを抜いて、リラックスする。
・目や耳などの感覚器官をオフにする。
・副交感神経を優位にする。
・脳波を低い周波数へと下げていく。
・1:2呼吸法をする。
・外的世界を遮断する。
・内的世界へ意識を向ける
要するに、これらは全部同じことを
言っているわけです。
つまり、外的な刺激を受けることや、
一旦離れることによって、
外的世界を遮断して、
内的世界に意識を向けるということです。
「内的世界に意識が向く」を、
簡単な言葉に言いかえれば、
「自分の心と向き合う」です。
おっと、そういえば、
自分の心と向き合って、
どうするんでしたっけ?
何のためなのか、忘れていませんか?
心理療法は、
「ありのままの自分」を
受け入れるためのスキルです。
「ありのままの自分」を受け入れるために、
自分の心と向き合うわけです。
では、「ありのままの自分」は、
どこに居るか知っていますか?
「ありのままの自分」は、
外的世界にいると思いますか?
そんなわけはないのです。
「ありのままの自分」は心の中にいるのです。
だから、
外的世界に気を取られることを止めるために、
1:2呼吸法をして内的世界へと
潜っていくわけですね。
ちょっと、解説が懇切丁寧すぎるでしょうかね?
もっとテクニカルでスリリングな話も、
山のようにありますからね。
焦らずお付き合いくださいね。


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